挨拶

理事長の挨拶

一般社団法人三重県病院協会
理事長  楠田  司

平素は三重県病院協会に格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。

当協会は、病院の管理運営について調査研究し、社会の福祉増進に寄与することを目的に、昭和26年(1951年)に任意団体として発足、昭和47年(1972年)に社団法人 三重県病院協会として設立されました。現在の会員病院数は、桑員医療圏11病院、三泗医療圏15病院、鈴亀医療圏12病院、津医療圏16病院、伊賀医療圏6病院、松阪医療圏10病院、伊勢志摩医療圏9病院、東紀州医療圏4病院の計81病院となります。

さて、本年度は、診療報酬、介護報酬、障がい福祉サービス等報酬の同時改定、医師の働き方改革の初年度のほか、第8次医療計画の運用が始まっています。また、医療機能情報提供制度の刷新、かかりつけ医機能報告制度の創設など様々な施策、感染症対応など、保健医療に係る重要な施策が進められます。

いま、医療の在り方が大きな転換点を迎えようとしています。少子高齢化による65歳以上、特に85歳以上の高齢者の増加と生産年齢人口の減少により医療提供体制は「治す医療」から「治し、支える医療」へとシフトしていく時代となり、病院も機能分化と連携が今まで以上に重要となってきました。さらに今後はかかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等に関わる課題を含めた医療提供体制全体が最適化されるような新たな地域医療構想の策定、加えて医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在の是正、さらには医療DXが推進されることになります。

当協会は、将来世代が不安なく未来に希望を持てる社会を実現するために、さまざまな組織と連携・共創を図り、質の高い病院運営を目指します。具体的には、医療従事者の資質向上とともに処遇の改善や業務負担軽減、職場環境改善による人材確保・育成や質・安全の更なる確保、ポストコロナの経営改善といった諸問題に取り組むとともに、近年懸念される自然災害や未知なる感染症、サイバーテロへの対応を含めた幅広い活動を進めていくことで、県民の皆様の幸福を追求していきたいと考えています。

今後の医療環境はますます厳しいものになるものと考えます。住み慣れた地で医療が受けられ、安心して暮らしていける地域完結型の医療を維持していくためには、病院間の理解と協調、かかりつけ医や介護・福祉分野との更なる連携は欠かせません。地域の医療環境の安定のためにも三重県病院協会の活動にご理解いただき、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

令和6年9月17日