百日紅(さるすべり)は、夏から秋にかけて百日もの長い間、紅い花を咲かせるものですから「ひゃくにちこう」とも呼ばれます。ミゾハギ科の落葉中高木で、幹や枝の樹皮がすべすべしていて、猿も滑りそうだからこの名が付いたのはご存知の通りです。実際は猿も鳥も滑らないそうですが・・・。百日紅は、お寺の境内やお墓で咲いているというイメージが強いのですが、中国への留学僧が日本へ持ち帰ったからとか言われます。日本の暑い夏をお墓で静かに咲く百日紅、物騒がしい世の中をどのように思って見ているのでしょうか。
炎天の地上花あり百日紅
高浜虚子






このように下方にも花弁があって、6枚の花弁が輪状に並ぶのは滅多にみられません。
中央には未だ成長していない「めしべ」と「おしべ」。くしゃくしゃ頭の赤子(あかご)のようです。
せみなくやつくづく赤い風車
一茶

