日の出(阿漕浦海岸)

2025.12.17  師走半ばの早朝に、風もなく、海は凪いでおり、水平線には少しの雲がかかっている阿漕浦海岸から日の出を空撮してきました。
 2026年元旦の津市の天気予報は、”曇り、時々雨”の予想で, 初日の出の撮影は無理と判断したからです。
   ところで、あこぎなやつ、あこぎな商売。「強欲」「あくどい」といった意味で使われる「あこぎ」の語源は、この海岸「阿漕(あこぎ)浦」に伝わる物語に由来しています。
 病気の母親を持つ漁師の”平治”は「病気には阿漕浦で捕れるヤガラという魚がよい」と聞き、病で日に日に衰弱していく母親を前に、“平治”は決心し、伊勢神宮の神域で、禁漁区である阿漕浦に夜な夜な舟をこぎ出します。ヤガラを食べさせたことで母親の体調は少しずつ回復するが、ある時、浜に”平治”と書かれたすげ笠を置き忘れたことで、密漁が露見して、捕らわれ、平治はす巻きにされ、阿漕浦の沖に沈められたという。その後、夜になると阿漕浦から泣き声や網を打つ音が聞こえ、その音を聞いた者は病気になったと云われている。
 地元住民でつくる「阿漕平治保存会」は毎年、”平治”の孝をたたえ、その霊を慰めるため、”平治”が処罰されたと伝わる8月16日夜、阿漕塚(津市柳山津興)で供養を捧げていいます。この話からは、悪い意味で使われる「あこぎ」の意味合いは伝わってこないですが?