夏になると葉が白くなる半夏生、昔からなぜ白くなるのか不思議でした。そこで村中挙げて半夏生の保護や育成に取り組んでいる奈良県宇陀郡御杖村へ行って来ました。
半夏生は、ドクダミ科ハンゲショウ属に分類される多年草で、葉の表だけが白くなりますのでカタシログサ(片白草)とも呼ばれます。
ドクダミと同じように、花には花弁や萼はありません。半夏生の花は、柱頭の4裂した「めしべ」1本と、6本の「おしべ」、さらに未発達の苞葉1枚から成ります。
1個の花序が成長するにしたがい対生する葉が白くなります(赤矢印)。半夏生の花は小さくて目立たないので、白い葉が虫をおびき寄せる役割をしているといわれます。その花と葉の間から、若葉にクルクル巻かれた新しいつぼみが芽生えています(青矢印)。この若葉がつぼみを保護する苞葉で白くなります。
半夏生の群の中で、小さな花と相対する白い葉の組み合わせをアルファベットの小文字と大文字で示しました。確かにAからDまで対応していますが、Dの組み合わせのように、早くに生育した花では対応する葉は白くなりません。
花後、葉は緑に戻りますが、時間がかかり、長い間白っぽさが残ります。