晩夏に咲く白ゆり

お盆の頃に咲く白ゆりは高砂ゆりと新鉄砲ゆりで、いずれも鉄砲ゆりの仲間です。鉄砲ゆりは、私たちが昔から純白のゆりとして親しんで来た冠婚葬祭には欠かせないもので、九州から沖縄に自生する在来種です。一方、高砂ゆりは台湾を原産とする外来種、新鉄砲ゆりは鉄砲ゆりと高砂ゆりの交配により作られた品種です。それぞれの違いは次の通りです。
花の咲く時期:鉄砲ゆりは初夏、高砂ゆりと新鉄砲ゆりは晩夏です。
:鉄砲ゆりでは幅広く大きいのに対し、他の2種では細く小さいのが特徴です。
:いずれも白く細長いラッパ型、高砂ゆりにだけ外側に赤紫色の帯が入ります。
増殖:鉄砲ゆりは球根のみ、高砂ゆりや新鉄砲ゆりは球根だけでなく種でも増えます。

高砂ゆりの花(外側に赤紫の帯があります)
新鉄砲ゆりの花(外側は真っ白です)
晩夏の光を受けて清楚に咲く白ゆり
夏の雲の下、それぞれ何を想っているのでしょうか。
陽の傾きかけた午後、日蔭に咲く白ゆりの花。日向の光景に懐かしいものを感じます。
何時の間にか我が家の裏庭に咲くようになった新鉄砲ゆりの群。ところどころの花が、陽に透けて白く輝きます。
夏の終わり、緑の光の中で清楚に咲く白ゆり(高砂ゆり)