くっつき虫

 秋の野に潜む厄介者、「くっつき虫」。子供の頃、野原で夢中になって遊んで帰宅しますと、ズボンやシャツの腕のところにいっぱい実がくっついていて、洗濯しても落ちないし、指で1個1個つまんで外すしかなく、母親によく叱られました。「くっつき虫」あるいは「ひっつき虫」は、動物に付着して自分の分布を広げる野草の実(果実)の俗称で、他にも「ばか」「どろぼう」「げじげじ」「毛虫」「ちくちく」「ひっつきもっつき」など全国各地でいろいろな呼び方があります。「くっつき虫」にはたくさんの種類がありますが、ここでは4種を取り上げます。

1)コセンダングサ

とげとげ玉のようなコセンダングサの実(果実)
コセンダングサのそう果は4稜あり、先端にある2~4本の冠毛には、逆向きの棘(逆刺)がついています

2)アメリカセンダングサ

アメリカセンダングサの果実
アメリカセンダングサのそう果は扁平で、先端の2本の冠毛に逆刺がついています

3)アレチノヌスビトハギ

アレチノヌスビトハギの花と莢(さや)の群 
蝶形花冠の形をした桃色の可愛い花です
莢の表面を埋め尽くす屈曲した小さな毛

4)オオオナモミ

オオオナモミ まゆ型の果実がたくさん実ります
オオオナモミの果実の表面に立ち並ぶ先端の屈曲した多数の棘